ボルドー巡り


ボルドーから
今回のボルドーは、オーナーが変わったり、ミッシェルローランがコンサルタントについたシャトーがどう変わって いくのかを主眼に、シャトー巡りをしてまいりました。
そして、なんと錚々たるブルゴーニュドメーヌの日本代理人 坂口氏の息子さん、坂口暁秀氏も同行。

99年概況
99年は平年より良、98年より良いだろうとの見方でしたが、10月に入り雨模様となり収穫時期で明暗を分けました。
葡萄の完熟が遅れ10月に入って収穫したシャトーは雨の影響が大きいようです。

シャトー レオヴィル ポワフェレ
レオヴィル3兄弟の中では日本での人気が今ひとつなシャトー。
サンジュリアンで最も上質な土壌を持つといわれているシャトーがようやく改革に乗り出し、醸造タンク等の設備を新設し、ミッシェルローランをコンサルタントに迎えた。
オーナーのティディエ・キュヴェリエ氏に案内されたシャトー内では、他の近代的なシャトーと同じ、より省力化されたシステムが組まれ、やはり温度コントロールが出来る醸造タンクが新設された。
セラーも近代的な美術館のようなイタリアンモダンの斬新なものになった。
キュヴェリエ氏が目指すワインはこのところのボルドーの流行なのか、すぐに飲めるワインということでした。
(アメリカ市場では96年ヴィンテージのワインが、97年が出てくると売れなくなる、特にブルゴーニュにその傾向は強いため、それに合わせたワインづくりを目指しているのでは)
試飲させていただいた86年からのワインにもその傾向が顕著で、98年はすでにしなやかで丸みのあるタンニンでした、しかし、そこは伝統ある2級シャトー歯ぐきに吸い付くようなタンニンは残っています。
パーカーの好むストロングなワインではないけれど、チャーミングなワインに仕上がっている。
今後この傾向のシャトーは増えていきそうだ。


CH.レオヴィルポワフェレ ティディエ キュヴァリエ氏と試飲


シャトー ド ヴァランドロー
いつもにこにこ笑いを浮かべているジャンリュック トゥネヴァン氏は、予定より30分も遅れたにもかかわらず道に出て待っていてくれた。
「今日の午前中に99年の樽詰めが終わったんだよ、忙しかったんだから」とのこと。
メドックのシャトーからすると驚くほど小さな醸造施設のヴァランドロー、発酵桶は4つしかない。
この発酵桶を毎年新しいものに変えるのがヴァランドローのすごいところ、通常ではこんなお金のかかることは出来ない。
そして、新樽は当然100%、樽の中では最高の銘柄の1社のみを使う。また醸造所のクリーンさも驚異的だ。
99年は20hl/ha強という低収量
「10月に雨が降ったけど、畑の土をプラスティクで覆ったからヴァランドローは大丈夫だよ」
ととんでもないことを言う。
中庭での試飲で世界初のことが2つ起こった。
まず一つは1998年が初ヴィンテージのクロ バドン トゥネヴァンの瓶を撮影したこと。
クロバドントゥネヴァンという名前で決定したのかと聞いたところ、いきなり瓶を倉庫から持ってきて
「このラベルを見たのは君たちが世界で最初だ。」とのこと。
次は98年のヴァランドローの試飲の後に、なにを思ったのか未だマロラティック発酵途中の99年を樽から出して試飲。
これも「僕以外に飲むのは君たちが最初、明日タンザーが来るけど悔しがると思うよ。」
トゥネヴァンが言うには
「いくらお金がかかってもいいから、自分が飲みたい最高のワインを作るんだ。すぐに飲みたいから瓶詰めしてすぐに飲めるワイン、10年は美味しく飲めるワインだよ。」
その他隠すところ無く醸造について語ってくれ、坂口暁秀氏も「僕はずっとここにいたいよ。」とだれもが帰りたくない気分だった。



中庭での試飲

トゥネヴァン氏とマロラティック発酵中の99年ヴァランドローの試飲

トゥネヴァン氏と毎年新しくするという醗酵樽の前で

     ヴァランドローの99年新樽

98年が初ヴィンテージ クロ バドン トゥネヴァンのラベル

クロ バドン トゥネヴァンのラベルの元になった友人がつくった彫刻

トゥネヴァン氏のセラーでロマネコンティ1ケースみっけ


シャトー ボールガール
ここもポムロールで良質な土壌を持つと言われながら評価の上がらないシャトーだ。
オーナーの考え方が、よりカジュアルでビストロで手軽に飲めるワインが好きだということもあるのだろう。
(それにしてはボールガールをデイリーユースに飲むなんて高すぎるが)
ワインは丁寧に作られているが、今ひとつ深みに欠けるきらいがある。
3,000円で飲めるポムロールならとても素晴らしいとは思うのだが。


CH.ボールガールのオーナーと17世紀に建てられた建物の前で

CH.ボールガール SO2を入れているところ


シャトー カノン
今後、期待のかかるシャトーのトップに輝くのがこのシャトーだろう。
1990年代に恐ろしく無様なワインを作っていたカノンはシャネルが96年に買い取り、大規模な設備投資をし、醸造責任者はシャトーラトゥールの醸造責任者を引き抜いた。
98年ヴィンテージからいよいよその価値が問われる。ワインづくりが好きでたまらないと言った印象の、ダヴィッド オール氏はこのサンテミリオンで最も古いシャトーが、シャネルの元で大規模な変革が行われていくのを嬉しくてたまらないようだ。
まずくすんだ発酵桶が新しくなり、パーカーの批判をものともせず新樽を贅沢に使い。新しいカノンを生みだそうとしている。
試飲では96年と98年の比較を行った。96年は異様な匂いでやせてタンニンばかりが目立つワインだ。
98年はまろやかなタンニン、匂いも果実やミントが気持ちよく香り、99年、2000年と素晴らしいワインが出てくる予感を十分させるものだった。


CH.カノンのセラー 今回の訪問のうち唯一地下のセラーだった



CH.ランシュバージュ オーナーの娘さんと

マダム坂口 ムッシュ坂口と今年一つ星を取ったパリの中華料理店で

CH.オーブリオン 伝統的に硫黄を使って樽を殺菌している

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